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歯周病菌が全身に与える影響

 

口の中は細菌がいっぱいです。

 

プラーク(歯垢)の1ミリグラムの中には数十億個の細菌が存在するといわれています。

 

そして口の中は37度前後となり、栄養分も豊富なので微生物にとって非常に居心地が良いのです。

 

歯磨きが正しく行われず食べかすが残っていると、細菌はこれをエサに増殖しプラークと言われる菌の塊を作ります。

 

このプラークが歯肉や歯を支える歯槽骨、セメント質、歯根膜に炎症を起こします。

 

これがいわゆる歯周病(歯槽膿漏)です。

 

 

最近になってプラークの病原性細菌は、口の中で悪さを働くばかりでなく、増えていくと唾液や血液の中に入り込んで体のあちこちに飛び火し、全身に深刻な影響を及ぼしかねないことがわかってきました。

 

高齢者に多い誤嚥性肺炎、糖尿病、心臓病、早産、低体重児出産などの関連性が指摘されているのです。

 

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①誤嚥性肺炎

 

うまく噛めなく、飲み込めなく、お口の中がケアーされてなく汚れている時、細菌を含んだ食べ物や唾液を誤嚥することでおこります。

 

また抵抗力が落ちている高齢者ではうまく飲み込む事ができず、誤って気管に入ってしまい、これを繰り返すことで肺炎を起こします。

 

 

 

 

 

②糖尿病

 

昔から糖尿病があると歯周病になりやすいと言われています。

 

高血糖になると免疫力が低下し歯肉が歯周病菌に感染しやすくなるためです。

 

 

最近では歯周病であると糖尿病になりやすいとも言われています。

 

歯肉に炎症が起こると血管刺激物質が作られ、全身に広がるとインシュリンの働きが悪くなり高血糖を招くと言われています。

 

歯周病と糖尿病は互いにリスクを高めやすいのです。

 

 

 

 

 

③心臓病

 

歯周病の人は心臓病にかかるリスクが2倍高いと言われています。

 

歯肉の傷などから血管中に歯周病菌が入り込み冠状動脈に炎症を起こし、そこに白血球が集まり血栓が出来て、血管が硬く狭くなります。(動脈硬化)

 

さらに血栓が剥がれて、血管を詰まらせ、狭心症や心筋梗塞を起こしてしまうのです。

 

 

 

 

④早産、低体重児出産

 

歯周病が悪化すると、歯周病菌による炎症で生じたプロスタグランジンと言う生理活性物質が増え、子宮を収縮させる事から、早産や低体重児出産を招くリスクが高まる言われています。

 

 

 

 

このように歯周病菌によって様々な悪影響を体全体に及ぼす危険性があるのです。

 

食べ物の入口であるお口の中をきちんとケアーして、体全体の健康を守りましょう。

 

 

ウルタ歯科医院     潤田  眞